
自作キーボードのテンティングを3Dプリンタで自作してみた
メカニカルキーボードに手を出して見たものの……
自作キーボードをはじめました。使っているのは「Liliy 58 Pro」。左右分離型でコンパクト、はんだづけもそれほど多くなくて、自作デビューにはちょうどいいキーボードです。

とはいえ、そもそもメカニカルキーボード自体がはじめて。
さらにいうと、タイピングがめちゃくちゃ得意というわけでもない自分にとっては、ちょっとしたキーの角度や位置の違いで「あれ、なんか打ちにくいな…?」という違和感が出てきました。
決して安いものではなかったので、自分に合わなかったか……という気持ちと、なんとかして使えるようになりたい!という気持ちがどちらもあり悶々としていました。
テンティングを試してみる
この打ちにくさ、なんとかならないかな…と検索していて見つけたのが「テンティング」という方法。キーボードを左右それぞれ外に傾けて、手首のねじれを減らすというものです。
確かに良さそう!やってみたいなーという直感のような、純粋な気持ちが湧いて出てきました。一方、でも何となく、自作キーボードをやっている人たちにとっての、少し慣れてきたら進む段階というか、ちょっと上級者が取り組むことに見えて「初心者の自分なんかがやってみていいものか……」と葛藤もありました。(いま思えば、何言ってるんだというぐらい無駄な気持ちですね)
結局、やりたい気持ちが勝ったので、とりあえず効果があるのか確かめたくて、家にあった小さな箱(トランプケースみたいなやつ)をキーボードの内側に置いて角度をつけてみました。するとこれが意外と効果を発揮してくれて、手の置き方が自然になるというか、なんとなく打ちやすくなった気がする。
というわけで、ちゃんとしたテンティングスタンドを自作してみることにしました。
とにかく設計図を書いてみる
上手に書けなくても、一旦寸法を測ったり形をスケッチして想像してみることは大事だと思っています。これで設計ミスが減ったことが何度かあり、それからは可能な限り書くようにしています。
実際書いたものが下の写真。上手ではないし、設計図としてはダメなところも多いかもしれませんが……記録として残しておきます。

設計はTinkercadで。まずは1号機
設計はTinkercadで行いました。

最初の試作は上記の写真。底面を薄くして、スタンドの面の1つをオープンにした構造です。ノートPCの角に差し込めるような形にしてみました。強度としては絶対に弱い。打鍵するたびにたわむかなぁとは思いましたが、「ま、いっか。やってみよう」精神で3Dプリントしてみることに。
でも、打鍵してみると分かりました。ぐにゃんぐにゃんする。集中してタイピングしているときは意外と気にならないのですが、ふとした瞬間に揺れてしまい「やっぱりこの形はダメか……。」と、どうにも制作者としては心残りのあるものになってしまいました。
原因は底面の薄さ。ノートPCの角に差し込んで省スペース化!というコンセプトでしたが、これがイケてなかったようです。無念。


改良して2号機へ。しっかり三角形
そこで2号機では潔く、しっかりした三角形にしました。角度は同じですが、支えの面を増やして変形しないようにしています。
これで揺れは解決。使っていても安定感・安心感があります。
ただ、Liliy 58 Proの底面はネジの頭があったり平面ではないので、少々フィットしきってない感もあります。たまに滑ってズレてしまう。



次にやってみたいこと
今後はもう少し、キーボードの底面の形に合わせて凸凹をつけるなど、よりフィットする形を目指したいです。できれば角度も調整できたら便利かも?とは思っていますが、まずはこの2号機でしばらく使ってみて、また不満が出てきたら次を考えます。